眼は、外から入ってきた情報を水晶体(すいしょうたい)といわれるレンズで屈折させて、網膜(よくカメラのフィルムに例えられる)に焦点を合わせようとします。
網膜に焦点が合う場合を正視(せいし)といい、視力検査で1.2 あるいは学校などの検査では2.0や1.5などの視力が測れる見え方になります。
(通常、眼科では1.2まで視力がでるまでを検査します)
近視は、網膜上に焦点を合わせたいものが網膜よりも前に焦点があってしまう状態です。
網膜までの距離が長い(眼軸が長い)、または角膜や水晶体の屈折する力が強すぎるために、
網膜より前に像を結んでしまいます。
これを、凹レンズをつかって網膜に焦点を合わせることで、遠くがよく見えるようになります。
また近くにあるものを見ようとするときには、近くにある分焦点も後ろにずれますので、
近視の方は、近くや手元はよく見える、ということになります。
遠視は、網膜より後ろに焦点が合う状態です。
角膜や水晶体の屈折力が弱かったり網膜までの距離が短い(小眼球)により、網膜より後ろに像が結ばれます。
凸レンズをつかって焦点を前にずらし網膜に合わせます。
乳幼児から幼児期にかけては、視機能が発達していく時期です。
この時期に視力の屈折異常などを発見できず、適切な検査や治療が行えないと視機能の発達を妨げてしまいます。視力の発達は8〜9歳までで完了してしまうので、発達期の治療が行えないと弱視になることがあります。
お子さんの場合ピント調節力が強いため、その力でピントのずれを打ち消してしまい、正確な視力が測れないことがあります。
検査や診察のうえ医師が必要と認めた場合、調節する力を一時的に麻痺させる点眼薬をつかい、正確な視力を測定します。その結果をもとに、必要であれば適切なメガネを処方し、また訓練を行ったりして視力の発達をうながします。
お子さんの見え方の異常がないか、治療の必要がないかを発見するために、保育園幼稚園では定期的に視力の検査をおこなっていることと思います。定期検査で指摘があった時は、眼科での検査・診察をお受けいただくことが、弱視予防の第一歩になります。